「君はロックを聴かない」

 今更ですけど、昨年末の紅白歌合戦にも出場した あいみょん の 『君はロックを聴かない』 の件ですが、この曲とタイトルに違和感を感じているのは私だけじゃないですよね? この曲のメロディーラインが全然ロックじゃなくって、どちらかというと昭和歌謡のように感じているの私だけじゃないですよね? そして、この曲の善し悪しは別としてこのタイトルってやっぱり人目を惹きます。特にロック好きの目を。

 中学2年生のときからロックを聴き始めて高校生の頃にはどっぷりと漬かりきってた聴くこと専門の筋金入りロックキッズの私としましては特別気になります。

 この曲のレビューなどを見ると 「男目線の曲」なんて風に書かれているのを目にしますが、実際のロックキッズはこんなこと考えたことないんじゃないかな。

 おそらく本当にロックが好きな男の子はドンドンとその魅力に囚われていろんなロックを聴くようになって、それは決して世間的にはポピュラーなものではなくてある一部のマニアが好むジャンルのように思われている。そもそもが今のご時世CDを買うこと自体がマニアックな行動だと言われるのに。

 

 グリーン・デイ、レッド・ホット・チリペッパーズ、レディオヘッド、これら今世紀最も成功したロックバンドの曲を日常的に聞く人がどれ程いるのか。そういった意味でもロックはそれを好む者のみが聴くマニアックなジャンルの音楽なのだ。かくいう私だってこの年になるまでそれなりの人数の女性と付き合ってきたが、音楽の趣味が合う相手はたったの1人だけだった。

 同じ音楽の趣味の者を見つけるのさえ難しいのに今までロックを聴かなかったものにロックの良さを伝えるのがどれ程難しいか。いや、難しいどころか絶対に不可能だと思う。

 そしてロックというジャンルの音楽はそれを聴いて恋を乗り越えたりするものじゃない。ザ・フー の言葉を引用させてもらうならこういうことだ。

 

ロックンロールは、別に俺たちを苦悩から解放してもくれないし、逃避させてもくれない。 ただ、悩んだまま躍らせるんだ

 

 

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