太郎、二郎、三郎

以前はスポーツジムに通い身体を動かしていたのだが40才を超えた辺りから徐々にジムから足が遠のき、1回当たりに換算するとべらぼうに高い会費を払うのが馬鹿らしくなり辞めてしまった。それでも運動不足になると足や腹がぷよぷよしてきてみっともないし健康にだってよくない。そして何より男として『いざという時に動ける身体でありたい』という気持ちがあったので何か手軽なところでとランニングを始めてみた。

ランニングというと聞こえはよいが、少し走って疲れては歩き、歩くのと変らない程のスローペースで走ってはまた歩きというようなものなので胸を張って『ランニングをしています』と言えるほど立派なものではない。その証拠に体重はここ数年 微増を続けている。

そんなことはさておき、週に3〜5回程度は近所の大きな公園にそのぬるい運動 「ラン&ウォーク」 をしにいっているワケだが、その公演で知り合ったお婆ちゃんの話し。

その公演にはけっこうな数のネコがいてそのネコ達にエサをあげる心優しい人達も多くいる。ネコ達はボランティアによって去勢されていて、いわゆる『地域ネコ』としてみんなから愛されている。公演の管理者もネコへのエサやりを禁止せずエサやり後の後片付けをお願いする立札が公園内の数カ所に設置されている。

そのお婆ちゃんも毎朝ネコにエサをあげに来る人の1人で、腰は曲がっているわ顔は皺だらけだわ・・・。まぁ、結構な年輩さんなのであるが雨の日も風の日も、どんなに寒い日でも欠かすことなくエサをやりに来ているようである。
そのお婆ちゃんがネコにエサを遣る場所は決まっていて、その場所には3匹のネコが暮らしている。お婆ちゃんは毎朝決まった時間にやってきてネコ達を呼ぶ。

『太郎!二郎! 三郎!!』

するとネコ達は植え込みの中から出てきてエサをもらう。
野良猫に名前まで付けて毎朝欠かさずエサをあげていることから婆ちゃんのネコへの愛情の深さがうかがい知れる。

ただひとつ、私には気になっていることがあって・・・。
その3匹のネコ達はみんな雄猫なのだろうか??
女の子に 太郎 二郎 三郎 という名前は可哀想だと思うから、少々心配である。




こいつは次郎