他の世代

 コロナウイルス禍のもと子供が喧しくてしかたない。小中学校だけでも早く再開してもらえないだろうか。アイツら自粛なんて言葉 理解してないだろ、そこかしこで遊びまくってやがる。そして子供だけならまだしも、その親も一緒になって公園や住宅街の道路上で大声上げて騒いだり話し込んだり。これじゃ休校の効果なんか全然ないじゃないか。今の少子化社会では子ども様とその親世代はちょっとした特権階級のように暴虐武人に振舞っている。

 当初コロナウイルスが流行りだしたころ、これはとんでもないことになるんじゃないかと思った。人口の60%が感染するとか致死率が2%程度だとか、そんな話を聞いて国内の死者は10万人、100万人単位になるのではないかと怖くなった。実際の所これからどうなるかは分からないけれど今の所 身近にコロナウイルスによる死者はいない。

 ただしかし物事は悪い面だけではなく良い面もある。このウイルスによって多くの高齢者や持病持ちが亡くなれば日本の社会保障費が抑えられ財政が健全化するではないか。上手く行けば少子高齢化も改善されて・・・・。

 少し前話題になった活動家のグレタさんじゃないが私にも他の世代に対する嫌悪感というものはある。とくに日本でいう所の団塊の世代とか世界的にいうところのベビーブーマー世代,その中でも特に70代に対しては強い偏見がある。この騒動で一気にあの世代が片付いてくれればよい世の中がやってくると本気で信じている。

 それはそうと先日、趣味の場で知り合った友人からオンライン飲み会に誘われた。彼は東京に住む小児科医で、勤務医の彼にとっても今の状況は大変でストレスが多いようだ。モニター越しにとりとめもない話をしながら時間を過ごし、少し酔っぱらってきたところで彼がこんなことを言い出した。

  地球とか自然というのは自らバランスを取るように出来てるんだ。医療や文明が発達して人が死なない世の中になった。そしてその事とのバランスを取るためにウイルスが現れて年寄りが死んで行く・・・。そんな気がしてしょうがない。

 私はそれを聞いて、科学的根拠をもとに日々仕事をしている者がそういう非科学的なことを考えることもあるのだなと不思議な気持ちになった。ともかく50年も生きてきて初めての出来事であるだけに私も彼も上手くこのことを受け止めきれずにいるようだ。