久しぶりに映画館に行き相方と2人で「ジョーカー」を鑑賞。(ネタバレ含みます)
相方は「久しぶりに見応えのある映画を見た」とご満悦の様子だったが私としてはそれ程でも・・・。おそらくきっと想像していたのと大きく違ったからではないだろうか。最初私は必殺仕事人のようなストーリーを予想していた。どこにでもいる普通の慎ましやかに暮らしている人が支配者階級もしくは富裕層から酷い仕打ちを受け、そして息も絶え絶えになりながら「この恨みを・・・」
もしくは、これもまたどこにでもいるような善良な市民がちょっとした切欠で人生のレールを踏み外し悪の道に・・・。
こういったストーリーを予想していた私は大きく裏切られた。主人公のアーサーはそもそもからして社会的弱者であるしアーサーの人生において彼を狂わせたターニングポイントもなかった。アーサーがアーサーとして生まれそのままレールの上を進んで行ったらジョーカーになってしまった。そんな映画だった。なんだか救いのない映画だな~。というのが私の感想だ。
しかし何故この映画がこれほど話題になり興行成績が良いのか理解できるものであった。私はもう長く生きていて何度か道を踏み外しそうになったり実際少しばかりはみ出したこともあるのである程度は知っているのだが、悪と言う存在はどのようにして生まれるのかとか、この世にはどうしようもないことや知らない方がよいことがあるとか、それからえっと、環境というものが人にとってどれほど大切だとか・・・。失敗した者や社会的弱者に対して「自己責任」という言葉で片付けてしまう愚かさとか、しいていうなら今の社会の問題点について上手く描かれているように感じた。
ジョーカーは勝手に悪のアイコンになったのではなくて世の中や社会が、しいていえば私たち1人1人が作りがしたものであり目の前のジョーカーを倒したり捕まえたりしても決してジョーカーはいなくならない、そういったことを伝えているように感じた。そしてそのジョーカーという役を次に演じるのは私かもしれないしアナタかもしれないということだ。
あー、うん。こうやって想いかえしてみると面白い映画だったかも。。