よっぱらい

先日、親戚の法事があった。私は二男だし所帯も持っていないので参加しなくてよいといわれていた。しかし、母、兄、姉が実家に集まって3人で行くことになっていたのだが姉には小学5年生の子供がいて、その子供と留守番をして待っているようにと云い付けられた。

3人は午前中に出かけていき、昼メシは用意してくれていたので昼は2人でそれを食べた。その後時間が過ぎ夕方4時になったが誰も帰ってこない。私と甥は腹を空かせていた。私は甥と2人でメシでも食いに行こうと思った。 そういえば実家から少し離れた所に気になる居酒屋があった。ちょっとコイツといってみようか。

実家からは少し遠いので母の自転車を拝借し2人乗りで出かけた。自転車で約10分くらいの距離だ。店に入り、まず簡単なツマミとビールを注文しそれから甥っ子とじっくりメニューを眺めた。甥っ子は居酒屋に来るのは初めてのようで嬉しそうにメニューを見て私に質問しながら何品か注文していた。 甥っ子は生物がが好きなようで何種類も刺身を注文していた。

それなりに腹も膨らみ、適当に酔っぱらったので店を出た。来る時は私が自転車を漕いでいたのだが帰りは甥が私を自転車の後ろに乗せてくれるという。

『だって、ねあん兄ちゃん飲酒運転やん』

5年生にもなると立派なことを言うようになる。しかし体力的にはまだまだ子供で私を乗せて1〜2メートル走った所でよろけて止まってしまう。そしてしょうがなく自転車の運転を私に変わる。
帰り道、甥っこは私の背中から身を乗り出し必死で前方に注意している。


『ねあん兄ちゃん、信号赤やで! 赤は止まれやで!!』

『ねあん兄ちゃん、前からクルマ来てるで! もっと端に寄って!!』

『あっ、交差点やで!もっとブレーキかけて!!』

心配してくれているのは嬉しいのだが、酔っぱらった私は小学生に注意されなければならない程なのだろうか。。