コーヒー

 独身の頃、私にとってコーヒーといえば缶コーヒーのことだった。滅多に喫茶店などには行かなかったし、行ったとしても別のものをたのんでいたように思う。 結婚してからは毎日 出勤前や夕食後にインスタントコーヒーを飲むようになった。安定した生活とはそんなものだろう。違いがわかる男でもないが、我が家ではいつもネスカフェゴールドブレンドだった。

 ときどきコンビニでコーヒーを買って飲むこともあった。スターバックスのコーヒーよりコンビニチェーンのコーヒーの方が美味いことに気付いていたからだ。

 そしてこのコロナ禍、家で過ごす時間が増え外食が儘ならなくなった。少しづつではあるが家で美味いものを食べようと以前は手を出さなかったような食材に手を出し始めた。 少し良いめの刺身、焼肉用の牛肉、値段のはる野菜、吟醸の日本酒や瓶に入ったビール等々、以前は外食時にしかクチにしなかったものを家で消費するようになった。

 そしていよいよ暇にあかしてインスタントではない粉のコーヒーをドリップして飲み始めるようになった。最初の頃は味が分からなかったが毎日飲んでいると徐々に舌が肥えてくる。今ではもうインスタントには戻れないくらいに。

 以前レギュラーコーヒーを飲むのは贅沢なことだと思っていたが、いざコストを調べてみるとインスタントとくらべてそれほど大きな差があるわけでもないことを知った。要は手間が掛かるという一点だ。ただそれもコロナ禍のおかげで時間だけは存分にある。

 味が分かるようになるといろんな種類の物を試したくなる。最初は近所のスーパーのPB商品から始めたものが、その数か月後には手動ミルで豆を挽くまでになった。これは悪くない趣味だと思う。人生が豊かになるような。

 これもまたコロナ禍で見つけたひとつの楽しみだ。。

 

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