携帯料金は値下げしなくていい

 新しく総理大臣となった「ガースー」こと菅総理は「国民のために働く内閣」を掲げ、従来の持論だった「携帯電話料金の引き下げ」を「改革の目玉」に据えたらしい。

https://mainichi.jp/premier/business/articles/20200924/biz/00m/020/017000c

さて、これは本当に国民のために働いたことになるのだろうか?

 そのそもドコモ、auソフトバンクなどの携帯電話を持っている者は好きでその会社の携帯電話を使っているワケでそれが高いと思うなら他社に乗り換えればいい。かくいう私は6年ほど前に楽天モバイルに乗り換え月々のスマホ料金の支払いは3千円程度だ。妻はスマホ1台とタブレット1台を契約していて料金はそれぞれ2千円程度と900円だ。これは楽天MVNOと呼ばれるドコモの回線を借りて営業しているサービスのものでもちろんどこでもだいたい繋がる。ただしかし混雑時や人の多い場所ではインターネットの速度がかなり遅くなるがそれは料金が安いのだからしかたないと諦めている。

 例えばこれを別の業界に例えてみると、レクサスやベンツの自動車に乗っている者はそれが好きで乗っているワケで安く上げたいのならスズキやダイハツに乗り換えればいい。そもそも1国の総理が民間企業のサービスに対してその価格の高安を述べること自体がおかしい。ドコモは元をたどれば電電公社の流れをくむ企業なのである程度は仕方ないかもしれないが auソフトバンクは自ら設備投資しそのサービス網を構築したのだから独占禁止法に触れない限りどうこう言われる筋合いはないはずだ。

 これもまた変な例えかもしれないが、ある日突然 ユニクロの衣料は他社に比べて高すぎる40%は値下げできるはずだ」などと総理が言い出したらユニクロの経営陣もそこで働く者もたまったもんじゃない。

 いま大手と言われる携帯会社は3社である。携帯代金の値下げというのはこの3社に負担を強いるということだ。1国の総理が民間企業3社を名指ししてこの会社の利益を奪い、それを国民のためという。これはとんでもない暴挙ではないか。

 

 確かに携帯料金の出費が1人当たり5千円減れば国民は助かるかもしれない。しかしそれが国民の為に働いたことになるのだろうか。そんなことをするよりも国民1人当たりの収入を5千円アップさせることの方が大切ではないか。世の中には正規の職に就けず契約社員、パート、アルバイトとして働くものが多くいる。こういう人たちを正社員として働けるようにすることが最優先ではないか。そうすれば若者が安心して結婚、出産することができ少子化問題の解決にもつながるはずだ。

 ガースーの携帯料金値下げという政策はあまりに国民をバカにしているように感じるのは私だけだろうか? それとも、多くの人が目先の数千円に目が眩むほど我が国の愚民化政策は進んでいるのだろうか?